ホーム > ポメラニアンについて > ポメラニアンとは > ポメラニアンの歴史
ポメラニアンのような洋犬は、大抵は人が作りあげた犬です。
犬は元々人の周りで暮らしており、何かの役に立つべく小型化されたり、改良されてきました。
キツネやウサギを狩る為に改良されたミニチュアダックスや、プードルは猟師が撃ち落とした鳥を水辺周りでキャッチするのに役立ってきました。
ポメラニアンにしてもプードルにしてもダックスフンドにしても、祖先犬の姿は今と異なっていました。
どちらかと言うと、今の姿より大きい物がほとんどです。
では、メラニアンの祖先犬は元々どのような犬種でどのような目的で作られたのかを見て行きましょう。
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ポメラニアンが作られた目的は、愛される為だけに「愛玩犬」のみとして作られました。
犬のルーツは人の役目に立つために改良されて作られて来たので、
ポメラニアンも何かの目的があるのかと思いきや、
改良されて作られて来たのです。
他の犬のように草原の羊を追いかけるために作られた牧羊犬や、
馬車を引く仕事をする犬でもないのです。
“ただ愛される為に生まれて来た愛玩犬”
こう考えると、ポメラニアンのとても可愛らしい容姿や性格を見てみても納得できます。
ポメラ二アンの祖先は、スピッツ、ウルフスピッツであると言われています。
スピッツとは中世ドイツ語で、「尖った鼻先」(16世紀のエベルヘルト・ツー・ザインの宮廷で犬の鼻やマズルを意味する用語)を指します。
だと言われています
中型スピッツから交配を重ね、改良され小型かして行ったのが今の犬種です。
因みに、国際畜犬連盟では“ジャーマン・スピッツ”の一品種に登録されています。
世界の多くの国で「ツヴェルク・スピッツ(小さなスピッツ)」呼ばれ親しまれています。
ポメラニアンという名称は地名から来ています。
バルト海に面している、ポーランド北西部とドイツ北東部にまたがる、“ポメラニア地方”にこの犬の祖先が生息した事でこの名前が付いたとされています。
正確な記録は残っておりませんが、ポメラニアンの原産地はドイツですが、
このポメラニアン地方が原産ではありません。
ただ、この地方はこの犬の繁殖に注力していたとされています。
最初の記録は、
・1764年11月2日で、ジェイムズ・ボズウェル(スコットランド出身の法律家)
スイスとドイツを旅しておりその当時の日記に記述してありました。
それは、 「ポメラニアン(ポメルと言う名前)を飼育しているあるフランス人男性がおり、
そのポメルを大変可愛がっていた」という内容です。
他には、
・1769年の著作「スコットランド旅行記」(ウェールズ人博物学者トマス・ペナント) の中に、
「ポメラニアンとオオカミの交配を成功させたロンドン商人がおり、その子孫の事」を書いている。
ポメラニアンとはでも記述しましたが、
この犬を流行らせたのは、ヴィクトリア女王だと言うのが一般的ですが、
実はヴィクトリア女王の祖母が初めてイギリスに持ち込んだとされています。
祖母のシャーロット(イギリス国王ジョージ3世の王妃)は、
1767年に2頭のポメラニアン(名前はフィービーとマーキュリー)をイングランドへと持ち帰えりました。
ヴィクトリア女王がこの犬を可愛がっていたのは1888年の事ですから、
祖母は120年も前にこの犬を飼っていた事になります。
この犬達は、当時の絵画にも描かれています。(画:トマス・ゲインズバラ)
描かれているその犬は、現在のポメラニアンよりも大きく、
その体重は14 - 23kg程度だと言われています。
大きさでは2‐3kgのポメラニアンより遙かに大きのですが、被毛の様子(立派で豊富)や耳の立具合、
背中まで届く巻いた尾は現在のポメラ二アンと見て取れる姿で描かれています。
つまりこの犬を広めた立役者は、
ヴィクトリア女王とその祖母に当たるシャーロットの2人とも言えます。
※ヴィクトリア女王の他に飼育していた王族に、
ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネ(フランス皇帝ナポレオンの王妃)や、イギリスの王ジョージ4世らがいる。
1891年ポメラニアン愛好クラブが設立
1900年一種の犬種として登録(1898年アメリカンケネルクラブに最初のポメラニアンが登録)。
1926年ウェストミンスター・ケネルクラブ・ドッグショー、
「愛玩犬」部門でポメラニアンがチャンピオンに輝いた。
1988年、同じドッグショーでポメラニアンが全クラスで総合チャンピオンに輝いた。
1912年豪華客船タイタニックが沈没した時に生き残った犬が3頭いるが、
そのうちの2匹はポメラ二アンであった。
1998年犬種スタンダードが改定される事になり、
ポメラニアンは“スピッツ”、“ジャーマン・スピッツ”のカテゴリで登録された。
その時に「スピッツ系は魅力的」、「ユニークな個性と気取った外観」と評価されている。
ポメラニアンの祖先は、ヨーロッパ大陸の北方スピッツ系のソリを押す犬種のサモエドであると言われています。
やがて、ドイツ北部を中心にサモエドの血筋を持つ、牧羊犬が現れはじめました。
その犬が小型化されて改良されていったのです。
この犬は後々に「ドイツ産の小型スピッツ」としてイギリスに紹介されたのです。
そこで、前述したビクトリア女王の目にとまったのです。
ここからポメラニアンが世界的に注目される輝かしい歴史が始まります。
このビクトリア女王はポメラニアンの華麗な姿に魅了されたちまち虜になりました。
ビクトリア女王は自らドッグショーにポメラニアンを出場させるほど、愛して広めて行ったのです。
当時は13キロだとか14キロの大きさだったと記録があり、
今とはサイズ感が大分異なります。
ビクトリア女王はより小型化させるために改良を重ねて行きました。
20世紀に入る頃には今の小型化のサイズになっています。
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日本で人気に火が付いたのは、1985年イギリスのハドレー犬舎を引き継いでからです。
このハドレー犬舎の歴史は古く、Mrs.G.ダイク夫人が1950年代に、
ポメラニアンのブリーディングを開始しました。
より小型で、魅了的なポメラニアンの繁殖を計画して行き、
当時、100頭以上の英国チャンピオン犬(ポメラニアン) を世に輩出して行きました。
その後、世界中の各国へポメラニアンを送り出し、
多くのチャンピオンポメラニアンを輩出したブリーダーとして知れ渡っています。
1985年以降、日本のポメラニアンはこのハドレー系の愛おしく華麗な姿で占められて行きます。
頭を高く上げ、キビキビ誇らしげに歩く姿が、その美しい風貌をより華麗に魅せるとされています。
フワフワとした外見に可愛らしい顔のポメラ二アンは、JKC(ジャパンケネルクラブ=日本の純血犬種を統率する組織)により、元々はトイグループに所属していました。
しかし検討の結果、スピッツグループに移されました。
これによりただ可愛いだけの愛玩犬としてだけでなく、
スピッツに準じたタフな気質を持つ犬作りがされています。
この影響により、近年ではスピッツ特有の勇敢さ、タフさを兼ね備えるポメラニアンが増えています。
最近のポメラニアンは小型犬らしからぬタフなハートを持つ子が増えているのです。
まとめ
・愛玩犬として改良された犬種である
・犬種としてはスピッツ系とされている。 (国際畜犬登録)
基本スペック
原産国=ドイツ
犬種名=東欧のポメラニアン地方に由来
体高=18~22センチ
体重=1.8~2.3キロ
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